続・教えない

昨日の続きです。深みに足を突っ込んでしまいましたが、大事なことではあるので、断続的に書きたいと思います。結論にたどり着くには、時間がかかりそうです…

※ あくまでも私個人の見解です。もし塾関係者の方がお読みになり、不快な思いをされたら申し訳ありません。私もこれまで数多くの失敗をしてきました。

これも私が勤めていた塾での話です。

中2の理科でかなり難しい計算問題がありました。そのときは、ワークを各自解いて持って来てもらい、丸付けをするという指導でした。

生徒さんに解き方を説明したり、ヒントや考え方を指導していると、先輩講師から「教えるな」「考えさせろ」とストップが入ります。

説明しすぎたかなと反省をして、しばらく時間を置きます。ただ、かなり難しい問題で10分、20分、30分…と時間が過ぎます。解ける生徒さんはほとんどいません。

しびれを切らして、また個別に説明を再開したり、無理だと判断して、全体に説明しようとしました。すると、その先輩講師が大激怒。私には「教えるな」、生徒さんには「自分で考えろ」とブチ切れます。

まあそれも一理あるし、反論もしませんでした。難しい問題が何問もあり、その先輩講師がどう対処するのか、勉強させて頂こうと待っていましたが… ただ説教をして強制終了でした。

このケースはどうなんでしょうか?

解けないから、分からないから、塾に来るのであって、自分で考えろは仕事放棄だと昨日私は書きました。しかし、分からないからと、すぐに解き方を教えて、生徒さんはそれを聞いて写しても、解けるようになるかは疑問です。明日には忘れているでしょう。

サービス業としては、解き方を教えないのはアウトですが、教育としては良くないということでしょうか。

一つ言えるのは、「教えない」のはいいけど極端すぎると感じます。塾講師の方なら分かると思いますが、もう少しうまく対処すればいいだけの話です。例えば、10分間は自分で考えて解けたら持って来てと言い、10分後に解説するとか。

「教えない」というのは、何か格好よく聞こえますが、その時の状況により対応が無茶苦茶難しいです。それを的確にするのは至難の業で、生徒さん一人一人に対応は不可能でしょう。

その根本的な問題は、「教える」と「指導」の混合、そして、そもそも「教えるべきこと」と「教えすぎてはいけないこと」の混合です。(まだ結論は言いませんが、お分かりの人は多いと思います)

このケースは問題点がいくつかあります。

① 問題が難しすぎる。公立高校の入試問題を超えているものもありました。

② まだ予習段階で学校ではやっていない単元であること。

③ 生徒さんのレベルがそこまで高くないこと(上位ではあった)。

ただし、その先輩講師の方も、あとであれは飛ばすべきだったと反省していました。

一方私は、最大の問題は②にあると感じていました。そこに、この「教えない」論争に終止符を打つカギがあります。次回、「完・教えない」といきたいのですが…