今回は「塾の宿題」についてです。おおむね、公立の小学校や中学校の場合です。以前にもとりあげましたが、さらに深堀りします。
私自身、いまだに宿題に何を出すか、結構悩みます。今一度基本に立ち返り、考えたいと思います。
宿題が多い塾はいい塾?
宿題を出すことで、演習量を確保します。週に1日や2日では、演習量も少なく力はつきません。そこで、宿題を出すのは当然です。
問題は、その内容と量です。
宿題が多いと、家でも勉強できる。また、厳しくていい塾だとされがちです。塾が大量の宿題を出すのは、保護者(生徒も)向けでもあります。お互いに宿題があることで、「勉強している」と安心してしまいます。
大量の宿題の弊害
1 塾の授業が、宿題の答え合わせに時間をとられてしまう。
2 大半の生徒さんが、よく分からないまま、機械的に宿題をこなす。
※ その結果、答えを写すということが頻発する。
3 家庭学習の時間を削る。その結果、自分ですべき勉強ができない。
※ 塾にすべてしてほしいという要望があるなら、それは否定しません。
4 これが最大の問題ですが、「成績が上がらない」です。
ごく一部の上位層で、宿題をこなせる生徒さん以外は、ほぼ上がりません。上がるどころか、下がることも多いです。
※ あくまでも「大量」の行き過ぎた場合です。
どういう宿題を出す?
私自身は、試行錯誤して、一応結論は出しています。
それは、覚えることを宿題に出すことです。そして、宿題をしたかどうかは、小テストをして、覚えているかどうかで判断します。
また、よく出すパターンは、授業でした内容の復習です。主に、テスト前に出します。一度解いただけでは、解けるようにはなりません。
同じ問題を解き直す。間違った問題をノートに解く。という宿題を出します。あるいは、授業と同じ内容のプリントを宿題にします。塾での学習の復習をして、定着をはかります。
宿題を出さない
宿題を出さない塾もあります。ただ、公立の小中学生ではめずらしいでしょう。
塾での学習時間が長く、そこで完結している場合でしょうか。当塾も、それに近いです。宿題は出しますが、かなり少ないと思います。
宿題が少ないというクレームが怖くはありますが、お互いに消化しきれない宿題は逆効果です。
高校生の塾の宿題
高校生の塾も、最近増えてきました。個別指導塾はほとんど高校生まで対象ですし、高校部を増やす塾もあります。
小中学生と違い、あまり塾で宿題は出されません。学校の勉強が大変、部活等で時間がないなどの理由が考えられます。
ただし、これは塾により、対応はばらばらだと思います。
宿題とはまた違いますが、最近は管理型の塾が増えています。特に高3生がそうです。
授業は週1日でも、学習計画を立てて、それがきちんとできているかチェックします。宿題も、その中に組み込まれます。
宿題は臨機応変
普段の宿題は、覚えることが多いです。しかし、状況により多く出すときもあります。
テストが近いとき。中3生の場合。また、個人的に必要なときも出します。機械的に決めるのも、習慣がついていいのですが、考えて出すことが大切です。
宿題を出す目的は、学習の定着です。宿題を出すことが目的ではありません。塾の宿題に追われて、負担が大き過ぎたら、何のために塾に通うのか分かりません。