今回は「医歯薬系の壁」です。
※ 国公立大学の医歯薬系の学部。一般入試の前期。医学部は医学科とします。
先日に取りあげた「岡山大学・広島大学の壁」は特に理系で、工学部・理学部・農学部の話でした。そこで、今回は同じ理系でも、歯学部・薬学部・医学部ではどうなのかを取り上げます。
どれほどの差があるのでしょうか。そして、それは高い壁なんでしょうか。
岡山大学での比較
実際に数字で見てみましょう。岡山大学の2022年度の合格最低点で比較します。学部により配点が違い、また、学科により異なるのであくまでも目安です。
そして、2022年度は共通テストが難しい年で、例年に比べると低めの得点率です。例年ですと、これらにプラス5%が目安になります。
※ 一般入試・前期 総合の合格最低点の得点率
岡山大学(工学部)…53.8~56.2% 岡山大学(理学部)…51.9~57.2%
岡山大学(農学部)…53% 岡山大学(歯学部)…62%
岡山大学(薬学部)…64.4% 岡山大学(医学部)…70.8%
数字を見ると、医歯薬と理工農の差は5~10%で、それほど差がないと感じるかもしれません。例えば、工学部に合格できる力があれば、そこから少し努力すれば、歯学部、薬学部に届く。あるいは、20%程度上げれば医学部にも…。
しかし、実際には簡単にはいきません。理工農と歯薬の差は、とてつもなく大きいですし、さらに医学部になると、またかなりの差があります。そびえたつ壁が2つあるというところでしょうか。
※ 医学部(医学科)の壁は、またの機会で取りあげます。
医歯薬の壁
合格最低点ではぎりぎりなので、ある程度の合格水準で比較します。例年ですと、理工農で55%、歯薬で65%、医学部で75%でしょうか。
例えば、地域の公立トップ校で、理工農が上位40%、歯薬が15~20%、医学部で5~10%と言えば、差が少し分かるでしょうか。
校内の実力テストや模試の総合得点で7割も取れないようでは、医歯薬は論外でしょう。さらに、医学部になると、総合で8割取れますか?というレベルです。
共通テストはともかく、レベルの高い記述試験で、10%の差は大きいです。しかも、英数理の総合得点なのでなおさらです。
理工農に合格できる力の人が、1年浪人して、必死で勉強します。そうせれば、歯薬に合格できるか。もちろん、人によりますが、個人的には、合格できる姿が想像しにくいです。2年なら、引っかかるでしょうか…
その差は何か?
1つは「勉強の総量」だと思います。それこそ小学校から積み重ねてきた、知識や理解力、判断力などの総合力です。
そして、あまり言いたくはありませんが、能力的な要素も関わります。もちろん、これは最初からもっていたものか、勉強により後から身につけたかは分かりません。しかし、どうしても、差があるとしか思えません。
理工農のレベルから、集中的に努力して歯薬まで上がってくる。というケースもありますが、どちらかというと医学部まで届かず降りてくる方が多いと感じます。
努力すれば医学部にいける能力はあるが、勉強が足りていない。そのため点数が不安定で、総合で7割はなかなかとれない。そういう受験生たちとの闘いになると想定されます。
ですから、勉強して成績上げて、医歯薬系まで引き上げるのは、かなり高い壁があります。これまで私が見てきた高校生でも、這い上がって医歯薬にたどり着いた人はまれです。
そのまれな人たちはどうしたか。もちろん、それなりの勉強をしたに決まっています。国公立の医歯薬系に進みたい。それは自然な動機ですが、目の前の壁を自覚して、どれほど勉強すべきなのか覚悟を決めてほしいです。
とりあえず、進研模試なら英数国で合計8割くらいはとってください。話はそこからです。
※ 今回も、私の個人的な偏見が多く入っています。当然ですが、努力して合格を勝ち取った人はいくらでも存在します。
