今回は「わかりやすい②」です。
前回を受けて、今回は「わかりやすい」からの脱却編です。塾の勉強がよくわかる!!で止まっては、力はつきません。時間が経てば忘れて、覚えてませんし、解けません。
そして、成績が上がりません。
「わかりやすい」は絶対条件
誤解を招きかねませんが、「わかりやすい」がダメなわけではありません。
それどころか塾で、「わかりやすい」は絶対に必要な条件です。
塾により、塾講師により、わかりやすさは全く違います。あそこの塾は「わかりやすい」という評価は、大きな売りになります。
それにより、体験授業から入塾につながりますし、塾の評判にもなります。
ひねくれた私は、わかりやすいと聞いても、そんなの当たり前と思ってしまいます。また、ほめるところがないので、最低限の評価とも受け止めます。
その先の、「できるようになった」「成績が上がる」「合格できる」までいかなくてはいけません。
しかし、わかりにくい塾・塾講師は多数存在します。
勉強は「わかりにくい」ことだらけ
そもそも、当たり障りのない「わかりやすい」ことだけを勉強しても、力はつきません。
学年や教科、入試などのレベルによりますが、勉強はわかりにくいものです。それを、避けたり、わかりやすく加工して、生徒に与えても力はつきません。
難しいことを、簡潔にわかりやすいことに変える。それは、塾や塾講師の技術で、そうして提示することが仕事とは言えます。
しかし、そのわかるまでの過程が一番重要です。
それを生徒自身が、苦労して身につけるべきです。それをすべて塾が先回りして、「わかりやすい」ことを提供すると、生徒はよくわかると感動はします。
けれども、力がつかない可能性があります。
塾でも生徒に考えさせる、わざと苦しんで身につけさせることも必要です。わざと分かりにくいことをする。それをどこまでできるか。あるいは、そもそも分かりやすさを極力カットするか。塾により、対応は様々です。
例えば、ある単元の導入を分かりやすくまとめる。それは、塾のテキストやプリントとして、素晴らしい教材です。
しかし、生徒自身がまとめた方がいいのではとも思います。
「わかりやすい」の先→自主的に勉強する
さて、わかりやすいの先、すなわち「できる」まで到達するには、どうすればいいでしょうか。
塾では、わかりやすい指導を提供する。そこから先は、生徒が勉強して到達します。
多少は覚えたり、確認の小テストをするなどもあるでしょう。また、定期テスト対策や入試対策で、演習の機会もあります。
それでも、実際に勉強するのは生徒です。塾の仕事はその前で終わりです。昔は、こういう塾がほとんどですし、今も多数存在します。
私自身は、それが健全だと感じます。中学校の定期テストは、生徒自身が勉強すべきとも。
ただし、時代も変わり、様々な塾ができています。
「わかりやすい」の先→できるようにする
ということで、その先を塾でする。つまり、塾で「できる」ところまでします。
個別指導塾や演習中心の塾、自立型の塾も、これに当てはまると言えます。
生徒が家で勉強するのを、塾が肩代わりして行う。
塾の学習時間を長くする。また、演習中心の授業にする。宿題を多く出す。学習管理をする。また、テスト前に長時間塾で学習する。
やり方は色々ですが、塾でできるようになるまでします。当塾も、それに近い形です。
例えば、生徒が自分で解く演習が多いです。
※ もっとも、演習を多くすれば、できるようになるとは限りません。私を含めて、多くの塾で苦慮されている点かもしれません。
ただし、先程とどちらがいいとは言えません。時代の流れ的に、少人数や個別指導が多くなり、生徒生徒一人一人に寄り添う傾向があります。
そして、塾で勉強を請け負うのも、自然の流れでしょう。
しかし、毎日塾で指導は難しいです。費用や通う負担の面で。毎日通える塾もありますが、なかなか毎日は厳しいと聞きます。
その結果、当塾を含めて、全部を請け負うのは難しいでしょう。当たり前ですが、生徒が自ら勉強をしなくては、成績も上がりません。