電池~中学理科

中3の理科で、「電池のしくみ」を学習します。

数年前までは、ごく簡単な内容でした。電池になるには、①電解質の水溶液である(電流が流れないと電池にならない)。②2種類の異なる金属を使う(同じだと電圧の差が生じない)。と、この程度でした。

これだと、なぜ同じ金属では電圧の差が生じないのかという疑問は解決できません。

現在の学習内容は、かなり踏み込んでいます。それは、金属の陽イオンへのなりやすさ(イオン傾向)から始まり、電子のやりとりから電流が流れるまで習います。

ここは中学理科の中でも、難しい単元の1つです。それまで、イオン、酸・アルカリ、中和、そして電池と続きます。

高校生の化学を指導していると、電池をよく理解できていない高校生はたくさんいます。中学校から復習した方がいいかも知れません。

金属のイオンへのなりやすさ

塾用教材の解説はこうです。

「イオンになりやすい金属の単体を、イオンになりにくい金属の陽イオンが存在する水溶液中に入れると、イオンになりやすい金属はイオンになりにくい金属の陽イオンに電子をあたえて、自身は陽イオンになって水溶液中にとけ出す。一方、イオンになりにくい金属の陽イオンは電子を受けとって金属の単体となる。」

その結果「電池では、イオンになりやすい金属がー極になる。」

文長っ。読んでいて、何が言いたいのか分かりません。そして、結果までが飛躍している。実際には、この間に図がありますけど、結果への誘導になっていないので、割愛しました。

塾での解説

まず、金属の陽イオンへのなりやすさです。詳しくはイオン化列で「K Ca Na Mg …」と続くのですが、よく出る金属を書きます。※イオン化列は発展事項です。

「もぐもぐ(Mg)あえ(Zn)て(Fe)食う(Cu)」と覚えましょう。この順番にイオンになりやすいです。

さて、先ほどの長文を図にします。

Mg(マグネシウム)とCu²⁺(銅イオン)を水溶液中に入れます。MgとCuでは、Mgの方がCuよりもイオンになりやすいです。ですから、Mgはイオンになろうとします。

すると、Mg²⁺とCuになるはずです。さて、何が起こったのでしょうか。

Mgはイオンになりたいので、電子(e⁻)を2個放します。電子を放すと、ーがなくなり+になり陽イオンになります。

一方、CuはMgよりイオンになりにくいので。Mgが放した電子2個を受けとり、Mgの金属単体になります。

その結果、何が起こったでしょうか。電子(e⁻)が移動しています。中2の電流で、電流は電子の移動と習いました。すなわち、電流が流れています。ですから、電池になります。

電子はーから+に流れる、電流の向きと逆と習いました。したがって、電流はCuからMgに流れます。電流は+からーに流れるので、Cuが+でMgがーです。

したがって、イオンになりやすい金属がー極になります。これだけは覚えて帰ってね、ということで授業は終了しました。