まとめて復習する

今回は「まとめて復習する」です。

復習するときは、普通、単元や事項を一つ一つ復習していきます。

ただ、そうすると、時間がかかり効率的とは言えません。また、次の単元や事項に進むと、それまでの復習内容がぼやけてきます。さらに、長く復習することになり、集中力が続きません。

概略→細部の順に覚える

細かいところを一つずつ覚えても、なかなか頭に入りません。まずは、単元全体や項目全体の内容を、大雑把にとらえます。

木で言うならば、まず土台の木から始まり、枝葉を付け加える感覚です。

塾の授業がわかりやすいと感じるのは、ここに理由の一つがあります。

塾では、時間が限られているため、ダイジェストに内容を絞り込みます。すると、結果的に、全体像が見えて、分かりやすく感じます。

もちろん、それだけではだめで、そこに細部を付け加えていくべきです。そうすれば、効果的に理解できて、覚えることもできます。

具体的には、次のような例があります。

小学生、中学生の計算の復習

ある塾生の中学生で、小学校の計算からできていない生徒がいました。筆算のかけ算やわり算、分数の通分からできていません。正負の数の加減も怪しいです。

それらを確認してみると、それぞれあいまいで、全く分かっていないわけではありません。そこで復習をします。たまたまですが、使った問題が、小学生・中学生の計算が、一通り入ったもので、全体の量は多くはありませんでした。

最初は一緒に解いていき、そのあと数字を変えて、真似をして解いていきます。もちろん、適宜、計算の仕方や、正負の数の加減の考え方などは指導します。

それでも、真似をして慣れることで、徐々にできるようになります。毎回、小学校の計算から、正負の数、文字の式と一通りすることになります。そうしているうちに、文字式の計算まで、できるようになりました。

それは、私自身が意図的にしたわけではありません。

しかし、例えば、分数のたし算・ひき算だけをできるまでする。そして、次は正負の数の加減。というふうに、一つ一つをつぶしていったら、できるようにならないと感じました。

それでは、時間がかかるし、前にしたことも忘れます。同じことばかりで飽きて、集中力もなくなり、嫌になります。

勉強の仕方、指導の仕方が変わるだけで、こうも変わるのかと衝撃的でした。

中学英語の文法の復習

また、別の例です。

今、中1の英語が、かなり難しくなっています。教科書で出てくる文法事項が、多いのもありますが、それらが混在して登場します。

何気に、不定詞や動名詞が出てきたり、過去形が顔を出したり…混乱します。

これらを、教科書の順番でします。ユニットごとでは分かるのですが、次のユニットに進むと、それまでの内容とごちゃ混ぜになります。

以下、4枚は、中1の英語の文法事項をまとめて、授業をしたものです。こうやって、一気にまとめると、分かりやすくなります。そして、頭の中が整理できます。

ただ、悔いているのは、これをもっと早くしろよ!!です。確かに、夏期や冬期で復習して、文法内容をシンプルに復習しています。それでも、こんな感じで、ダイジェストで俯瞰することが大事だと、今ようやく気付きました。

全体的に復習→細部を詰めていく

この全体から俯瞰して把握しておいてから、細部を詰めて勉強していくというやり方は、当たり前のやり方です。

しかし、いきなり細かいところから勉強していき、続かず挫折するということは多いです。これは、高校内容でも言えると思います。

例えば、英語では、文法順に一つずつ習っていきます。事項ごとに細かく学習していきます。それは当然なのですが、あとから復習するときに、同じようにすると苦労します。

例えば、英文法の参考書なりを、まず全体に目を通す。これだけでも違うと思います。それは、理科や社会にも言えるでしょう。

そのときに「目を通す」「流し読み」が有効な手段だと思います。書いて覚えることは有効ですが、「見て」覚えることもできます。短い時間に一度に、全体を見る。そして、それをくり返します。

効率よく覚えることができる。テストでも点数を取れる。すなわち、学力が高い場合、この俯瞰して全体を把握できているケースが多いでしょう。