「成績を上げる」に迫る

塾の仕事は「成績を上げる」です。多くの塾でも、広告やホームページに、成績アップの記載があります。もちろん、事実でしょう。

当塾も、近く成績アップを公開しています。そこで、ふと冷静になると、この「成績を上げる」に疑問がわきます。

成績は点数?順位?

中学生のテスト結果で、点数アップは信頼性に欠けます。

「前回のテストから30点アップ」とよく目にします。50点が80点に上がれば、確かに成績は上がり、すごそうに見えます。

まず、平均点が不明です。前回のテストが難しく、今回が簡単だという可能性もあります。例えば、前回の平均点が50点で、今回の平均点が70点なら、実質10点アップです。

よくあるのが、前年の学年末テストと1学期末テストの比較です。最近は1学期末テストも難しく、平均点も低いケースも多いです。しかし、おおむね1学期期末テストは範囲が狭く、点数も取りやすいです。点数はたいてい上がります。

ひどいのになると、診断テストや実力テストと比べます。いわゆる「切り抜き」というやつです。宣伝広告のために、上がった点数を探すのはよくある手法です。

ですから、成績アップは「順位」の方が信用性が高いです。客観的なデータで信頼できます。ただ、本当に上がったかどうかは見えにくいです。点数と同じく、上がった生徒の数字のみを載せています。

それが、塾生の90%が順位アップなど補足があれば、より信頼性が上がります。

※ 当塾も、今回100%順位アップです。もう少し上げるべきですが…。

例えば、50位が10位になるは価値があります。が、順位が130位が100位に上がるくらいでは、誤差の範囲内です。それくらいしか、出すデータがないということです。

誰の成績を上げる?

根本的なことですが、「成績を上げる」って誰の成績?

まず、塾に入った生徒の成績を上げる。これがベースでしょうか。それにも、2つあります。塾に通っていなかった生徒と、他の塾から転塾してきた生徒です。

前者は、たいてい成績は上がります。それまで勉強していなかったら当たり前です。そして、後者も上がりますね。前の塾ですでにやる気を失い、それが新しい環境になると、一時的でもやる気が起きて勉強しますから。

一斉だろうが、個別だろうがあまり関係ないです。中学生は特に、モチベーションなど精神的な要素が大きいですから。指導がどうこう、塾がどうこうの影響はあまりないです。

今まで、私が見てきたケースでも、ほとんど上がっています。ですから、塾に行き(塾を変えて)、最初のテストで成績が上がっても、過信はしない方がいいです。塾がすごいというのは、たいてい錯覚です…。その次のテスト以降も下がらず維持できれば、評価に値します。

※ 高校生は、初めから急に上がることはまれです。校内テストなど、範囲が狭いテストならあり得ます。数ヶ月後に、模試などで偏差値が上がるかどうかですね。

塾生の成績を上げ続ける?

多くは、塾に長く通って頂き、塾生の成績がどうかになります。

当たり前ですが、塾生の成績を中1から中3まで上げ続けるのは不可能です。「成績を上げる」というよりも、「いい成績を維持する」でしょうか。

中学生では、塾の指導力がないと、学年が上がるにつれて成績が低迷します。学習内容や量が多くなり、それに対応していけません。

特に、中2の2学期以降が勝負です。この時期から、成績が伸び悩む生徒が多い塾は、いい塾とは言えません。

また、中1から塾に通っていると、成績自体がいいのか悪いのか基準が難しいです。気をつけないといけないのは、中学校に入って最初の診断テストと比べることです。

小学校の範囲で4教科のテストと比べるのは、全く意味がありません。参考程度ならいいですが、いつまでも最初のテストは良かったのに…はよくありません。その後に「もっとできるはず」と続きますが、全く違うテストです。

※ 高校生の塾では、高2から高3にかけての成績で、塾の指導力が分かります。定期テストや校内テストがよくても、模試でずるずる下がることはよくあります。

どこの塾でも成績は上がる

どこの塾でも、成績が良い、成績が上がる生徒はいます。機械ではなく、人間ですから、そのときの出来不出来や、テスト範囲の単元などに左右されます。

上がったり下がったりしますので、上がった部分を切り抜けば、「成績が上がる」生徒はいます。

また、先ほど言いましたように、塾の指導云々はともかく、勉強量を確保すれば成績は上がります。勉強したかどうかです。

※ 中学生で、各学校の上位10人を多く占める塾は、指導力も管理力もあり、強い塾です。中央高校以上の普通科を目指すなら、そういう塾は信用できます。

「個別指導は成績上がらない」はデータによるのか?

個別指導ではよく「成績が上がらない」と言われます。ネットなどで、個別指導は「大学生がバイトで良くない」とバッシングが目立ちます。

私自身は、それに懐疑的で、何度かとりあげてきました。簡単にいうと、正社員や専任講師がいいわけではない。それは私自身にもあてはまるので、偉そうに個別指導塾を非難する資格はありません。

その「成績上がらない」は確かなデータに基づいているのか。実際に、個別指導塾で、成績が上がった生徒はいくらでもいます。塾のホームページの掲載も本当でしょう。

確かに、私の経験から「個別指導塾が成績が上がらない」は多く目にしましたし、その例も多く見てきました。

しかし、修正すると「最初は個別指導は上がりやすい」けど「一斉塾などと比べて、成績が上がるわけではない」です。あまり幻想は抱かない方がいいと思います。

それでも、塾は「成績を上げる」のが仕事

成績を上げられない塾でも、微妙に生き残ります。また、成績を上げられない塾講師も、人手不足もあり、継続します。

それは、これまで書いたように、「成績を上げる」が実はあいまいだからです。

それでも「成績を上げる」のが塾の仕事です。

塾に長く通っているけど、成績が低迷するのは、塾に何かしら問題があります。それを家庭学習のせいにしたり、本人の能力のせいにするのは最悪です。

ひどいのになると、塾に休みがちなのを理由にします。それを放置した塾に責任があり、先に手を打てるでしょう。

結論からいえば、塾は圧倒的に成績を上げるべきです。これは私自身への言葉でもあります。