資料読み取り(小論文)

今回は「資料読み取り(小論文)」です。

大学入試の小論文、総合型選抜入試で、多く出題されるのが「資料読み取り」です。

資料読み取り問題で、どう分析して、文章をどう書くか。ごく基本的で、初歩的なことですが、あえて取りあげます。

ポイントをおさえる

実際に、小論文指導で一番多いのが、一番強調すべきポイントが弱いことです。

資料を「全体的に」見て、一番のポイントは何か。それを考えて、見抜いた上で、文章を書くべきです。

細かいそれぞれのデータにこだわることが多く、それでは高得点は望めません。

例えば、出生率の推移では、「年々出生率が減少している」がポイントになります。

それは当たり前過ぎるのですが、それを強く書いていないケースがあります。もちろん、どう減るのか、いつから減るのかなどはあります。

しかし、減り続けているは外せません。

何年に1.3を切った。この年は一時的に増えている。など、細かいことばかり書きます。もちろん、細かい事象を書いていけないわけではありません。字数にもよります。

まずは、一番目立つポイントを書く。細かいことは、その後に補足します。

問題文を精読して、それに答える

当たり前のことですが、これもできていないケースが多いです。

「データから読み取れる事実を書け」とあれば、まずは読み取れることを書きます。

さらにいうと、「事実」であって、類推ではありません。明確な事実を書くべきです。

そのあと、「その原因として予想されることを書け」や「そこから推測できることを書け」など、付随した質問に答えます。

その指示に従わずに、書くことがものすごく多いです。

問題の指示に従わないと、採点するときに、ごっそり点数を引かれます。

また、資料の分析だけを聞かれて、その原因や対策まで言及する場合。400字など長くなると、そこまで書いてもいいのですが…。

その場合は、分析に字数が割けずに、ポイントがぼやけることがあります。

資料の分析→そうなる原因→今後の予想、対策

資料系の小論文の場合。大筋の書き方としては…

まず、資料の分析。全体的に目立つ特徴をおさえる。最初に書くと、書きやすいです。その後に、付随する細かい分析を書いていきます。

次に、なぜそうなったのか原因を考えます。考えられる原因です。

そして、今後どうなるのか予想、または解決するための対策を書きます。

この3段階で書くと、書きやすくなります。

メモで箇条書き→書き始める

解答の文章は、いきなり書き出しは避けましょう。特に資料系の場合、資料の分析を先にしっかりしておくべきです。

そして、メモで箇条書きでまとめてから、本文を書き出しましょう。

 

以下、一つの例ですが、あげておきます。

交通事故に関するデータ(表1)と年齢別人口のデータ(表2)です。

表1のポイントは、事故件数、死者数、負傷者数が減っているのですが、それは大雑把すぎます。

1970年代がかなり多い→そこから減るが、2000年代まで増える→2010年代でかなり減るの推移です。そのそれぞれで、何があったのかを考えることが必要です。

また、設問で「2つ以上の項目間の比較を行い」とあります。事故件数だけではなく、事故件数・死者数・負傷者数をまとめてみるなどが必要です。

1項目だけでは、かなりな減点が予想されます。

表2のポイントは、もちろん少子高齢化がかなり進んでいることですが、ここでは70歳以上の人口の急増がポイントだと思われます。

それは、高齢者が起こす交通事故と関連があると、私は考えました。

紙面にある手書きは、私が書いたメモです。