今回は「国公立大化学記述対策」です。
国公立大学の前期試験まで20日を切りました。化学の記述対策はどのようにすればいいのでしょうか。
過去問
すでに解き始めていると思いますが、過去問は3年分は解きましょう。
ごくまれに過去問を解いていない高3生がいます。意味が分かりません。
※ 担当の講師が解かなくていいと言ったらしいのですが…。耳を疑いました。
そして、出題の傾向を分析しましょう。大学により傾向は違います。
たいてい、理論、無機、有機の各分野から出題され、大問が3か4が一般的です。
例えば、広島大学では4題。1と2が理論と無機、3が有機。そして、4の有機は高分子化合物がよく出題されます。
すなわち、直近で学習した高分子化合物を集中的にすべきです。
それが、他の大学では3題で、高分子化合物はあまり出ないこともあります。
また、化学反応式を書かせるのかどうか。どのレベルまでか。そして、頻出なら、化学反応式を拾い出して、徹底的にすることになります。
問題集
過去問は当然解くとして、入試対策で問題集を解くのが一般的です。国公立大学記述なら、重要問題集など。弱点補強は、うすい短期完成ものがいいです。
※ 短期完成のおすすめは、「橋爪のこれだけで合格」シリーズ(旺文社) です。特に、理論が基本から分からない、またどう覚えていいのかわからない場合に手助けになります。
また、難関大学であれば、「〇〇大学の化学」(教学社) がいいです。一般的な問題集で広く浅くするよりも、大学に合わせてできます。
有機化合物の推定
多くの大学で出題されて、受験生を苦しめるのが有機化合物の推定です。
苦手な人は、問題集などで一から通してやり直すべきです。
フェーリング液→アルデヒド、ナトリウムと反応して水素→アルコール、炭酸水素ナトリウムと反応して気体を発生→カルボン酸。
アルコールとカルボン酸を加水分解→エステル、逆にエステルに濃硫酸で分解。さらに、濃硫酸と過熱して脱水→160℃なら分子内脱水、130℃なら2分子間脱水。そこでの、分子内脱水の仕方→CからOHを奪い、その隣のCからHを奪う。
などなど、超頻出の事項を把握してください。そこから、オゾン分解などよく出るところをおさえていきます。
とはいっても、有機化合物の推定は難解です。過去問などを実際に解いて、考えて頭を悩ませてください。
無機化合物を掘り下げる
共通テストでは、無機化合物はまんべんなく出題されます。それに対して、各大学の個別試験では、せまいところから集中的に出題されることが多いです。
例えば、「ハロゲン」について深く細かいところまで問われます。
ですから、細かいところまで覚えなくてはいけません。そこで、ただ問題を漠然と解くだけでなく、一つの事項を掘り下げて勉強しましょう。
例えば、今日はハロゲンを集中的にする。また、別の日に16族元素(酸素O、硫黄S) をするなど。
そして、昨年の問題など、直近の入試から続けて出ることは少ないので、優先順位を決めてもいいです。
最近5年間で出ていない分野から優先的にします。そして、入試直前にもう1回するのもいいです。多少はやまを張るのも作戦です。
教科書や参考書を使って、全部書き出して「研究」しましょう。
※ 私は「理解しやすい化学」(文英堂) を愛読書にしています。愛媛大学、岡山大学、広島大学あたりまでは、ほぼ記載があります。
化学は、短期間でも点数を上げられる可能性があります。前日まで追い込みましょう。